読了:彼岸花が咲く島

エックス(元ツイッター)をやめる前に、著者の李琴峰の発言が批判されていてプロフィールを検索したときに外国人なのに日本語で本を書いて芥川賞を受賞したと知ってすげーなとおもった。批判を受けた彼女の発言がなんだったかは覚えてないけど。

前回の安部公房の箱男といっしょに彼岸花が咲く島も本屋で買った。

ひっさしぶりの現代のひとが書いた本に安心しながら読みはじめてすぐ、

『彼岸花 海岸』

で検索した。彼岸花は暗い場所で土に咲くイメージだった。すると海岸で咲いてる彼岸花の写真がたくさん出てきた。でも本に書かれた描写がじぶんの頭につくりだした映像とは違ったから、

『彼岸花 砂浜』

で検索しなおし。それはなさそうだった。
「砂浜を埋め尽くす彼岸花」・・・彼岸花って砂に生えるんだな。

作中の舞台の島ではニホン語と女語が使われていて中国語まじりだったから、さいしょは島が台湾で流れついた少女が沖縄かとおもったけど、読みすすめるにつれ逆かなとおもい登場人物の拓慈(タツ)のセリフは脳内で沖縄のイントネーションで再生された。

漢字の読みは中国式がところどころ出てくる。

拓慈の名前の読みもだけど「月」はユエと発音するらしい。調べてみたら「こどもに月と書いてユエと読ませるDQNキラキラネーム、親は日本人なんだろうから」と批判が書かれていたが、漢字を中国読みするのはあまりキラキラドキュンとはおもわないし親は生粋の日本人ではなく通名で日本人をよそおった中国系だとおもう。

話は本の内容に戻って、

少女が圧倒的な渇きを訴えている場面で「唾液が溜まるのを待って」とあるが、圧倒的な究極の渇きを経験するとわかるけど唾液でないよなとかおもった。

そして突然のひらがなだらけのページにところどころのカタカナ英語。Amazonレビューには「ルー大柴」と書かれていたがおれのつけた付箋メモには「マイルドな東京都知事」

島のユートピア的社会の成り立ちに記憶喪失のはずの少女が「従来の世界観が瓦解していく、自分の住んでいた場所とはあまりにも違う」と考えている。記憶喪失設定どうした?!とツッコミたくなるがそのあとにフォローされている。記憶喪失になったことはないからわからないが、固定観念や価値観は記憶を失ってものこるものなんだろうか。

次のツッコミどころは島で行われている亡くなったひとたちの「風葬」だ。

亡くなったひとたちを集落の近く海岸の崖下へ運び放置して風化させ、3年後に白骨化した骨を海水で洗い清めるのだそうだが。

おい、3年も外気に放置してたら白骨化もなにもないラー! 骨無は困るネー。
調べてみたら古琉球で行われていた葬法らしい。遺体を放置して3年・5年・7年後など適当な時期を見て洗骨すると書かれていた。この物語の舞台でもある与那国島は現在でも風葬が行われていて、通常7年だそうだが、遺体は棺に納められている。物語は棺は登場せず放置するとあるからやはり3年も経ったら骨は無ヤ!

すきだった場面は島のノロたちが海の向こうの楽園からさまざまな物品を持ち帰り島民に分配するのだが、島民はだれもノロたちの采配に愚痴を言わないってところ。
現代日本人だったら文句しか言わないもんな。平等がだいすきで平等になされているのに不公平だとさらに要求するでしょ。

そして島の砂浜に流れついた少女が受動的だったのが自分で考え能動的に動きはじめるところ。

日本人が受動的なのを著者は見抜いているんだろう。日本人の多くは受動的。思考力があって能動的に動ける日本人はすでに成功している。Amazonレビューでいうと星を3つつけて「それで?中途半端な終わり方」と書いているのが典型的な思考しない受動。

それにしてもこの本を読んでいるときにちらついたのが田村由美のBASARA

テーマはまったく違うけど現代通りすぎて未来を描いているのに時代が過去に戻っていくみたいなのがいっしょ。

台湾出身である李琴峰が外国籍(帰化したか知らんが)目線で日本を見て性別に対する役割への疑問だったりLGBTQへの思いが、この本を通していろいろ考えることができてよかった!

ちなみにおれ自身の思想は作中だと「ひのもとぐに」のほうかな。日本人だしな。口べらしでおんなこどもから・・・いや老人だな。金のかかる老人ぎらいな日本人も多いから老人消したあとは45歳以上の男女を消してそのあとは・・・。

おれもユートピア小説を母語以外で書くのが夢。

Author: ルーカ
くだらねー話をするだけ 一人称は「おれ」 コメントはご自由に

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