千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話
なげーよ。漫画アプリでよくあるファンタジー漫画のタイトルかよ。ファンタジー漫画やラノベ小説のタイトル以上に長いけど、このタイトルで釣れるのが「引きこもり」「小説家志望」「留学せずに外国語を習得したい」ひとたちかな。
「ルーマニア」と聞いてなにを思い浮かべるか。著者が冒頭で投げかけている。
おれがルーマニアと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、日本人女子大学生がルーマニアの首都ブカレストにあるアンリ・コアンダ国際空港に深夜到着し、ルーマニア人男性が親切心をよそおって女子大生に案内を申し出るといっしょにタクシーに乗り、その後レイプされ殺害された事件。犯人は終身刑だそうだ。
日本人特有の被害者叩き根性で、当時この女子大生と彼女のご家族も批判されていたと記憶しているが、クソなのは大学生や若者を海外へ斡旋しているNPO法人アイセック・ジャパンだろ。反社のにんげんたちが若い女の子たちをドバイやらハワイやらに売り飛ばしてるらしいけど、外国に売り飛ばされた女の子たちが目的地に着くだけマシかもな。そのあと消えるんだろうけど。アイセックが存続している時点で同等かもな。
つぎに思い浮かべるのはルーマニア出身の女優。某作品に出ているのをみて彼女の演技力に魅了された。アメリカ制作のドラマで発音もアメリカ英語だったため検索するまでルーマニア人ってわからなかった。
実は彼女をきっかけにおれもルーマニア語に手を出してみた。著者は教材があまりないと言っていたが、おれは語学学習アプリのduolingoをつかった。ただおれのルーマニア熱は著者と比べものにならないくらい弱かった。弱火でコトコトもできないくらいきれいに吹き消された。ただ、いまでも覚えてるルーマニア語が、
un copil
「こども」って意味の冠詞付きの単語だけど発音したら音がおもしろいから。ほかはなんにも覚えていない。(duolingoのルーマニア語は日本語では提供されていないので英語で勉強していた。今は同じようにスペイン語とドイツ語をやっている。)
この本のレビューをアマゾンや読書メーターなどで見てまわったら、よく書かれているのが「語り口調で書かれているのが嫌!」だった。どんな文体かというとおれがいまこの記事を書いてるような語り口調をもっとしつこくしたような感じ。「〜したんだ」「〜したんだった」「〜なんだよな」「〜でさ」みたいな文体。
こういう文体はおれが昔アクセス数が1日3桁、多いときで4桁いく某テーマのブログを書いてたときにもつかっていた。ただ連続して同じ音をつかうと読者に圧迫感あたえそうだから控えていた。そしてこの語り口調をつかう理由は、ふだん長文どころか文さえ読むのが苦手なひとたちに読んでほしいとか、読者との親近感を芽生えさえるためでもあった。対象年齢は10代後半から40代くらいだったからそれがちょうどよかった。
鉄腸さんのばあいは引きこもり「感」を出したかったのかもしれないね。小中高校では不登校でもなさそうだし、うつや引きこもりを経験したのは大学在学中からその後数年未満ってところかな。本を読んでいると少々ASD傾向があるなと感じた。感覚過敏とか。言語に強みがあるところとか。もしくはHSPか。
鉄腸さんのこの本の中で李琴峰氏について言及されていた。なんのつながりも考えずに同時期に購入した本たちだけど、まえの記事にも書いたとおり外国人が日本語で書いてるところに興味があったしじぶんでも外国語でなにか書きたいなっておもっていた。でもその参考にしようとおもって鉄腸さんの本を買ったわけではない。単純に「引きこもりのひとが… しかも日本人がルーマニア語で小説家?!」って表面的に引かれた。
外国語で文章を書いていてその言語ネイティブのひとに「あなたの言語は本物?」と聞かれたらどうする。
鉄腸さんはルーマニア語。おれだったら「あなたの英語は本物?」とか聞かれたら泣いちまう。
確かに雑誌に文章を載せるにはそれなりの言語能力を有していないといけない。それなりの言語能力があってもやはり外国人の書くものとネイティブ人の書くものはどこか違う。ニュアンスのちがいだったり堅苦しさだったり。編集長はたぶん差別意識なんてないんだろうね。
鉄腸さんはノンバイナリーやフェミニズムについても書いている。
日本語の人称代名詞は男女差がはっきりしていること、英語だとhe/sheがあるが単数形でtheyをつかう。ルーマニア語を含むヨーロッパ言語は名詞や形容詞自体が女性・中性・男性にわかれている。鉄腸さんはノンバイナリーな語尾変化を推進していきたいようだ。
おれは無理。おれはこの世には男か女か生まれた性しかないとおもってるから。大学で入学してすぐペーパーの書きかたルールみたいなので単数形としてtheyをつかうなhe/sheとかけと説明された。アカデミックだからだろうけどいまはどうだろう。
鉄腸さんはこの本の中でずっと「俺」をつかっているが、その理由についても書いている。
おれもこのブログとエックスツイッター(前回の記事でツイッターやめたと書いたけど再開した)では「おれ」をつかっている。それにも理由がある。ジェンダー問題以外は鉄腸さんと考えがあいそう。
これまでまったく興味のなかったルーマニア文学。この機会に読んでみようとおもう。
最後にアマゾンレビュー2つ星で指摘されていた誤字脱字。
「功を奏した」パソコンで変換すれば正しくでるけど「好を奏した」
「力不足」とするべきところが「役不足」となっている。
レビューみるまですっ飛ばして読んでたけど出版社は校正しないんだろうか。
あとこの助詞の使いかたは正しいのだろうか🤔



