石井光太著『世界と比べてわかる 日本の貧困のリアル』読了
なんかずっと石井光太さんの本やらコラムやらのことばかりしか書いてないからそのほかは読んでないみたいになってるけど、ほかにも読んではいる。読むのがおそすぎるのにあちこち手を出してしまう。
今回は貧困の話。
日本の貧困はよく報道番組で取り上げられててSNSでもそんな訴えをしてるひとを見かけるけど、いつも「なに言ってんだよ仕事えらぶからだろ、日本に貧困なんてねーよ」と思ってた。(いまもちょっとおもってる)
タイトルにある「世界と比べて」とあるけど、先進国同士の比較ではなく発展途上国との比較だったのが残念に思った。
先進国のアメリカや韓国などと比較するのを見たかった。どちらの国も日本以上に世帯の貧困に差が激しいからさ。
途上国の人びとの生活について、石井光太さんは実際に途上国で生活をしていたらしいので、鮮明に描写されていてすごく勉強になった。
日本の貧困を考えるときに途上国の貧困と比べるひとがいるのかと不思議だが、途上国の貧困を知ると、まるで日本の終戦直後みたいだなって思う。もちろん実際には見たこともないけど、話に聞いたり資料を見たりの経験はある。
日本にもその当時にはバラック小屋が経っていた。いま住んでる地元の町にも水上バラックがあったらしいが、朝鮮に戻らなかった朝鮮人たちが生活していたらしい。
ここで別の小説をはさむけど、
エックス(ツイッター)で川口市の移民問題に声を上げているひとたちがこのタイトルを挙げていたので読んでみた。
おもしろかった。終戦後15年くらいの川口市で生活する貧しい日本人の4人家族のお話。朝鮮人も同じ生活圏にいて、こどもたちは仲良くやってる。
貧困層の問題で気になってるのが、貧困はどこから始まっているのか。
たとえばおれの家の話だったら、戦時中でも終戦後でもキューポラの時代でも衣食住に困ることはなかった。もちろん平民なので裕福ではなかったけど、家族全員が食べるものに困ることはなかったし、キューポラの主人公と同い年のきょうだいたちはみんな私立中高一貫校に通って卒業した。
んで、現代のおれは貧困の定義に基づくと貧困や。でもそれはおれのやる気の問題(精神的)で自業自得や。それでも衣食住はあるから困ってない。貧困の貧だけやな。
キューポラの家族はなんで金がないのか。両親の両親も貧しかったのか、仕事はしてたのか、疑問はいっぱいあるけど、衣食住すら困る貧困ってのはなにが発端なのか。
石井光太さんのこの本の中でも書かれていたけど、発達障害などを含む精神障害に原因があるんだろうな。
シングルを理由にするひともいるけど、おれのまわりのシングルマザーは平均かそれ以上の暮らしをしてるからな。
やはり何かしらの精神疾患(精神遅滞含む)が平均並みの生活から遠ざけていくんだろな。